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2006/08/01
わかりやすい行政用語
独立行政法人 どくりつぎょうせいほうじん
法人のうち、独立行政法人通則法(平成11年7月16日法律第10号)第2条第1項に規定されるもの。←なんのこっちゃ、とお思いだろうが、一言で的確に表現するものが思いつかない…。
正直なところ、何のためにできたのかよくわからない制度(と、個人的には思っている)。
独立行政法人のほか、地方独立行政法人法に規定された地方独立行政法人もある。
■独立行政法人とは?
・独立行政法人通則法第2条第1項には、こう(↓)書いてある。
国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人
……わかりましたか? ね、わかりました? ……本当に、わかりました?(苦笑)
・無理して一言で言うなら、「行政の実施する事業のうち、現業部門を切り離して行政とは別の法人格を持たせたもの」ということになるのではないか、と思う。
■独立行政法人の種類
@特定独立行政法人 と A特定独立行政法人以外の独立行政法人 の2つに分類される。
@特定独立行政法人とは?
・一言で言えば、「公益上とっても重要なお仕事をしていて、国とは別法人と言っても、職員には国家公務員の身分が必要なくらい大切で責任あるお仕事をしている法人」のこと。
・ちなみに、独立行政法人通則法第2条第2項には、こう(↓)書いてある。
その業務の停滞が国民生活又は社会経済の安定に直接かつ著しい支障を及ぼすと認められるものその他当該独立行政法人の目的、業務の性質等を総合的に勘案して、その役員及び職員に国家公務員の身分を与えることが必要と認められるものとして個別法で定めるものをいう
○例えば、こんな特定独立行政法人があるよ
・個々の法人が何をしているかは、ま、各自でお調べください。
独立行政法人国立公文書館
独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構
独立行政法人統計センター
独立行政法人造幣局
独立行政法人国立印刷局
独立行政法人国立病院機構
独立行政法人農林水産消費技術センター
独立行政法人肥飼料検査所
独立行政法人農薬検査所
独立行政法人製品評価技術基盤機構
自動車検査独立行政法人
A特定独立行政法人以外の独立行政法人とは?
・一言で言えば、特定独立行政法人以外の独立行政法人。それ以外に言うべき言葉なし。←投げやり?
○例えば、こんな独立行政法人があるよ
・ほんの一部です。個々の法人が何をしているかは、ま、各自でお調べください。
独立行政法人国民生活センター
独立行政法人国際協力機構
独立行政法人酒類総合研究所
独立行政法人日本万国博覧会記念機構
独立行政法人大学入試センター
独立行政法人日本原子力研究開発機構
独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構
独立行政法人雇用・能力開発機構
独立行政法人種苗管理センター
独立行政法人日本貿易振興機構
独立行政法人土木研究所
独立行政法人国立環境研究所
■独立行政法人の業務内容・会計はこんな感じ
□独立行政法人の業務内容はどうやって決めているの?
・各独立行政法人の業務の範囲は、個別法で定められている。(法第27条)
・主務大臣が、独立行政法人が達成すべき中期目標(3〜5年)を定め、独立行政法人は、この目標を達成するための計画を作成する必要がある。(法第29〜30条)
・また、独立行政法人は、この中期計画に基づき、事業年度ごとに事業計画(年度計画)を定め、その実績について、独立行政法人評価委員会の評価を受けなければならない。(法第31〜32条)
※独立行政法人評価委員会は、独立行政法人の主務省に置くことになっているもの。(法第12条)
□独立行政法人の会計はこんな仕組み。
・原則として、企業会計。(法第37条)
・ただし、必ずしも独自収入があるわけではないので、必要に応じ政府からお金をもらうことができる。(法第46条)
■独立行政法人について思うこと
・正直なところ、なんでこんな制度が必要なのかよくわからない。「確実に実施される必要がある業務だけど、国が直接実施する必要がない業務」って定義自体がよくわからないし。
・「直接実施する必要がない」業務なら、法施行以前なら、真っ先に委託や民間譲渡を検討していたはずだ。行政が抱えるべき必要があるなら委託だし、行政が責任を手放してよいものなら民間譲渡である。これらの選択肢があるのに、新しく法律を作ってまで、選択肢を増やす必要があったのだろうか。民間でも行政でもないグレーゾーンが増えただけのような気がするのだが。行政が出資している外郭団体などとの差もよくわからないし。
・結局のところ、人件費や事業費を税金で賄っている独立行政法人であるのなら、あえて行政から切り離す必要性はなかったと思うのだが、ね。
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